行政書士試験法律科目学習マニュアル

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3. 行政書士試験法律科目学習マニュアル (2) 教材の加工方法

 教材の加工といっても、特別なことをするわけではない。重要な箇所にマークをしていくオーソドックスな加工をするだけである。 ただ、注意することは、色鉛筆を使って指定された箇所を指定されたとおりにマークをしていくということである。

 色鉛筆を使う理由は消すことができるからである。勉強を始めた当初は、すべてが重要だと思い、 マークする箇所が不必要に増えてします。しかし、それらの大部分は勉強が進むにつれて当たり前になった、 、ポイントがずれていたりする。だから、後から修正ができる色鉛筆が最適なのである。

 また、すべてを同一色でマークするのではなく、一定のルールに従って色分けをしていく。 色分けをすることで体系的理解をしやすくするためである。

 マークの方法は経験上最も復習効率がよく体系的理解ができると思った方法である。 とりあえずは指示されたとおりにマークしてほしい。もっとも、自分には他の方法が合っていると思ったときには、 その方法に変えてもらってかまわない。


@ おさえるポイントの区別化・明確化

 何度も復習して知識として定着させる必要がある部分は限られている。それらを膨大な情報の中からピックアップして、 復習の際にすぐに発見できるようにしていく。以下がピックアップするポイントである。


A おさえるポイントと加工方法

 意識して覚えるポイントは(ア)〜(コ)の10個に分類できる。 これらが「おさえなければならない10のポイント」である。 ただ、あくまで理解が先でその後に記憶するということを忘れないでもらいたい。


(ア) 定義

 定義とは「〜とは…である」という部分のことである。〜の部分を緑色で塗りつぶし、…の部分に緑色の下線を引く。 文言や用語の説明がその多くを占め、この定義の部分はとても重要となる。 専門用語であったり、通常とは異なる意味で使われていたりするために、わざわざ定義付けがされているからである。

 また、一度定義が出てきたら、それ以降は定義の理解を前提として話が進んでいく。 したがって、定義の理解があいまいであれば、後の理解もあいまいになってしまう。 だから、「〜とは…である」が出てきたら必ずマークして、いつでも確認できるようにしておく必要がある。

定義のサンプル


(イ) 重要判例の事案と結論・理由

 どの法律を勉強するにも判例は重要であるが、 特に憲法を学習する際には、より意識して判例の事案・結論・理由を覚えなければならない。 憲法は条文の文言が他の法律に比べて、より抽象的であるため理解がさらに難しい。 そこで、判例を通してそれらを理解することが条文を理解する上での近道となるからである。 また、判例の事案と結論・理由がそのまま試験で問われることも珍しくない。

 事件名を緑色で塗りつぶし、事案(誰が誰をなぜ訴え、どうゆう主張をしているのか)を鉛筆で下線を引き、 結論部分(裁判所は原告の主張を認めたのか退けたのか)を緑色で下線を引く。 理由の部分もマークをするが、詳しくは(ケ)目的、趣旨、理由・規範の部分を見てほしい。

 結論が端的に示されていない場合は鉛筆でメモ書きをする。(以降、メモ書きは斜め文字で表す。)

判例のサンプル1

判例のサンプル2


(ウ) 要件・効果

 条文がどうゆう場合にどうゆう効果を与えているのかは正確に押さておく必要がある。 効果の部分を青色で塗りつぶし、要件の部分を水色で下線を引く。

要件・効果のサンプル1

 また、要件が複数ある場合にはそれらの関係にも注意しなければならない。 @とAの要件を両方とも満たす場合に効果が付与されるのか、 @かAのどちらかを満たせば効果が与えられるのかの違いは重要である。 前者の場合は@∧Aと余白に書き込み、後者の場合は@∨Aと書き込みむ。このメモ書きは鉛筆で行う。

要件・効果のサンプル2



 (ア)定義、(イ) 重要判例の事案と結論・理由、(ウ)要件・効果は正確に理解して記憶しておかなければならない。 (ア)〜(コ)までを一度に覚えることが難しいと思った方は、 まず、(ア)(イ)(ウ)の3つを正確に押さえるようにしてもらいたい。



(エ) 論点・分岐点

 法律の条文では明確に規定されていないことが問題になる場合には、 現状の条文に一定の解釈をして結論を導くことになる。 その中には、学説によって解釈が分かれて、結論が複数になる問題が存在する。 その問題となる部分を黄色で囲む。

論点・分岐点のサンプル


(オ) 通説・反対説

 (エ) でマークした論点の結論をマークする。通説・多数説の結論をピンクで下線を引き、 反対説・少数説を赤色で下線を引く。説に名前が付いている場合はその説名を塗りつぶす。

通説・反対説のサンプル


(カ) 類似規定の異同(Cf.)

 条文は、同じことはできるだけ1つの条文で処理しようする。 (そのことを示すよい例が準用である。準用とは、違う事柄を規定している他の条文の一定の文言を読み替えて、 類似の事例に当てはめることである。)だから、わざわざ別の条文で規定しているということは重要な意味がある。 その重要なポイントは、見過ごしがちな小さな違いに表れるので、意識して異同を覚えることが必要になる。

 以前に学んだものと似たようなものが出てきた場合、 類似規定の両方の余白に、相手が載っていたページ数を鉛筆でメモ書きする。 また、どこが同じでどこが違うかもメモしておく。

類似規定の異同のサンプル

 このメモ書きは、行政事件訴訟法では裁判所(執行停止をした機関)と内閣総理大臣が、 執行停止を取り消すこと(停止している執行を再開させること)が規定されているのに対し、 行政不服審査法では、内閣総理大臣が執行停止を取り消すことができる旨の規定がないことを端的に示している。


(キ) キーとなる文言・注意すべきポイント

 定義、通説・反対説で下線を引いた部分のキー文言は黄色で塗りつぶす。 キー文言とは下線部を他の言葉で言い換えた場合でも、必ず使用しなければいけない文言のことである。 はじめのうちはどれがキー文言かわからないかもしれないが、学習がすすめば、自然とわかってくる。 よって、はじめはキーだなと思う部分をマークしておいて、あとで修正していく。

キーとなる文言のサンプル

 また、解説部分で自分が注意しなければいけないと思った部分も黄色で下線を引く。

注意すべきポイントのサンプル


(ク) 重要な表や図

 重要な表や図が出てきた場合は、復習の際に覚える表や図であることを明確にするために、 「覚」と書き込んでおく。重要な図や表の目安としては、講師が覚えてくださいとか重要ですとか言ったものである。 また、枝図やグループ分けがなされている図や表のほとんどは「覚」の対象となる。 この重要度も学習がすすむうちに、自身で判断できるようになる。

重要な表や図のサンプル


(ケ) 目的・趣旨、理由・規範

 目的、趣旨、理由である部分をオレンジ色で下線を引く。 これらが同じ色である理由は定義、要件・効果、通説等の根拠・理由となる部分ということで共通するからである。

 前後に出てくる定義、要件・効果、通説等とセットで記憶しておく。 ただ、法律の目的等、単独で出てくる場合もあるので、その場合は、法律全体と関連づけて覚える。

目的・趣旨のサンプル

 また、判例の理由は規範という形で与えられることがある。 一定の要件を満たした場合にある効果が発生し、その結果として結論が導かれるという場合である。 この場合、理由である規範は要件・効果と同じ構造になる。

理由・規範のサンプル


(コ) 具体例(Ex.)

 抽象的に規定していることを講師が具体例で言い換えてくれた場合は、 その具体例を鉛筆でメモ書きしておく。抽象的なことを自分で具体的に言い換えられないということは、 理解が不足していることを意味する。だから、講師が言ってくれた時点では理解できたと思ったことでも、 後で確認できるように、具体例は必ずメモ書きをしておく。

具体例(Ex.)のサンプル


B セルフ問題集の作成

 加工した部分を覚えるためにセルフ問題集を作成する。 問題集を作ると言っても大げさなのもではなく、 知識の確認をするために必要な事柄を、教材の章立てに従って作成していくだけである。

 教材の章だてに従って、後で述べる復習方法で使う部分(自分に与える情報)をその章の表題に加えて作成していく。 「問」の部分が自分に与える情報である。章立て自体が「問」になる場合もある。

 このとき、「問」のみを箇条書きにするのではなく、必ず章の表題と一緒に記述していく。 また、「問」の答えは記述しない。

 なぜなら、章立てと章立ての間に文章が入りすぎると、各「問」を体系的に理解するのが難しくなるからである。 また、加えて、答えはテキストを見れば載っているので、それをわざわざ書き込むのは時間の無駄だからである。

セルフ問題集の作成のサンプル

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