1 なぜ学習マニュアルが必要なのか?
あなたは、無数にある学習教材のうちからどれか一つを選択して、 その教材を使って勉強すれば行政書士試験に合格すると思っているかもしれない。 しかし、すこしだけ考えてみてもらいたい。 7万人以上も存在する受験生のうちで実際に合格するのはたったの3千人ぐらいである。(平成18年度試験結果) 合格できなかった6万人以上の受験生も、何らかの学習教材を使っていたことはまず間違いない。
では、試験に受からなかった受験生は選択した学習教材が悪かったから受からなかったのだろうか? それとも、単に努力が足りなかったから受からなかったのだろうか? もちろん、学習教材の優劣は確かに存在する。また、合格するためには相応の努力も必要である。 しかし、それよりも、合格できない原因の大半は適切な学習方法を身につけていなかったことにある。
まずは、各学習教材の隠れたデメリットを紹介し、 それらを使って単純に勉強をすすめるだけでは合格できない理由を説明する。
(1) かずある学習教材の一般的なメリット・デメリットと隠されたデメリット
受験を考えた場合に使用する学習教材は大きく分けると以下のように3つに分類される。
@ 行政書士試験対策本(書籍)
書店で売っている行政書士試験対策本を使って独学で勉強することのメリットは、 受験に対する経済的コストをもっとも安く抑えることができることである。 デメリットとしては自律が難しいため継続が困難であるといわれる。 しかし、それ以上のデメリットが書籍での独学にはある。 書籍での独学で合格することは3つのうちで一番困難である。
法律の文章は抽象的に書かかれてが、抽象的な文章はそのままでは理解しにくい。 多くの解説や具体例を通してやっと理解が可能となる。しかし、試験対策本の大部分は、 簡単に合格できるといるキャッチコピーをつけるため等の理由で紙面が制約され、 解説や具体例が簡潔になっている。解説の少ない具体例の少ない書籍を使った勉強は、 法律の理解を遅らせることとなる。
では、逆に分厚い試験対策本であれば大丈夫であるかといえば、 これにも問題がある。分量が多すぎるために重要なポイントとそうでないポイントの区別がつけずらいことである。 そして、何も手がかりがない状態で勉強を進めれば、すべてを覚えようとしてしまう。 これではいくら時間があっても、時間が足りなくなる。
A 予備校教材(通学の場合)
予備校教材では何冊にもわたって詳細な解説がなされ、多くの具体例が記載されている。 また、しっかりした予備校であれば重要なポイントの指摘もしてくれている。 しかし、受験に対する金銭的・時間的コストが3つのうちでは一番かかる。 全科目セットの講義を受講するには十何万円、数十万円のコストがかる。 また、通学に要する時間コストも大きな負担になるだろう。
予備校教材の場合は解説、具体例の膨大さに比べて、 講義の回数が少ないことがデメリットとなる。講義の回数には限りがあるため、 解説のスピードが速くなっている。 習ったことを理解していない、記憶していない間に次の講義にすすまなければならないため、 消化不良を起こしてしまう。
B 通信教材(予備校教材の通信の場合)
解説・具体例の少なさ、追従が困難な解説スピードのデメリットを解消しているのが、 CD・DVDが付随している通信教材である。 通信教材も予備校が出しているものは通学講義で使われているものと同じものを使っいるから、 解説・具体例は十分である。通信専門の教材であっても何ページ以内に収めないといけないという制約はないので、 十分な解説がなされている。
また、CD・DVDを使った講義の中で、講師がわかりにくい箇所・重要な箇所を解説してくれる。 「CD・DVDが付随している」ことが重要です。講師がその理解を通して紹介してくれるいくつもの具体例が、 理解のスピードをあげてくれるからである。文章を何十行も読むよりも格段に理解のスピードが速くなる。
解説のスピードも自分の理解にあわせて止めることができ、しっかりと理解してから次の講義にすすめばよいので、 消化不良になることもない。
(2) 学習教材が作成される際に考慮されること
「CD・DVDが付随している通信教材」が最適な教材であることはわかっていただけたと思う。 それでも、教材作成上の2つの理由からあるジレンマが生まれ、これが大きな問題となる。
@ 「合格が可能である教材にすること」
言い換えれば、その教材のみで試験に合格できる情報量にすること、必要な情報を網羅することである。 そのためには、解説や具体例を豊富に記載しなければならない。 また、法律は適宜改正されるのでその改正にも対応させる必要がある。
A 「短期間で習得が可能である教材にすること」
言い換えれば、必要最小限の情報であること、無駄な情報が省かれていることである。 これは、@の情報の網羅性とは相反する要請である。
(3) だから、合格には教材にプラスアルファが必要
つまり、(3)@・(3)Aを満たす教材は「解説・具体例が豊富で必要な情報が必要最小限に網羅されている教材」ということになる。 しかし、そんな理想的な教材はないといっていい。 なぜなら、試験というものが全体のうちの一部を出題することで全体を理解しているかを問うものだからである。 よって、優秀な教材は「必要な情報を網羅していて、いくつもの具体例を紹介した解説が豊富であるもの」ということになる。 すると、情報量が膨大になり、合格に最適な教材を使っていてもすべてを記憶しようとすると、 短期習得どころか時間をかけても合格ができなくなってしまうのである。
ここで、本マニュアルが威力を発揮する。情報は理解させるために用意にされた解説や具体例と、 知識として記憶する必要がある情報とに分類できる。 理解するために必要な情報は一度理解をしてしまえば、いわば不要な部分である。 理解するための情報と記憶する情報を明確に区別することで、 知識を定着させる時間を短縮することができるのである。